認知症による行方不明が年々増加!家族ができる対策は?
最近、認知症の高齢者のニュースを多く見かけます。交通事故も社会問題になり、国は本格的な政策として取り組みを見せていますが、それと同時に、2012年から2018年まで6年連続で行方不明者が増加していることが分かりました。今後の社会問題になりうる認知症、その対策について紹介します。
認知症の行方不明過去最高!警視庁調査
2018年、認知症やその疑いがあり、行方不明になった人は全国で1万5,863人にのぼることが分かりました。※1(警察庁調べ)6年連続で1万人を超え、最も多かった2017年の人数も上回っています。また統計を取り始めた平成24年以降のなかでも最も多く、今後も増えていくと言われています。
都道府県別の行方不明者数
都道府県別では、大阪府が最も多く2,117人、次いで埼玉県の1,782人、兵庫府の1,585人という結果に。行方不明者のうち約99%は所在を確認できましたが、197人は行方が分からないままになっています。
また、過去に行方不明の届けが出された認知症やその疑いがある人のなかで、全国で508人の死亡が確認されました。(2018年度)
※1 平成29年における行方不明者の状況 - 警察庁(PDF) より
認知症の高齢者が行方不明になる理由
認知症の高齢者が行方不明になってしまう最も多い理由は無断外出で、家族が見ていない間に一人で外に出て、戻れなくなってしまうケースが多いです。以前は「徘徊」と言われていましたが、無断外出には本人なりの理由があり、決して目的もなく外に出ることはありません。
例えば、昔の記憶を思い出し、会社に行こうとする人や畑仕事に出かけようとする人がいます。外出したものの、自分がいまどこに居るのか分からなくなり、あちこち歩き回ってしまうことがあります。これは「見当識障害」と言われ、場所や時間、人などの判断がつかなくなってしまうのです。
家族ができる行方不明を防ぐ3つのポイント
POINT① 介護保険サービスの活用
介護保険を利用して、車イスやベッドなど介護に必要な福祉用具をレンタル、または購入することができます。そのなかの一つに、「認知症高齢者徘徊感知機器」があります。徘徊しようとするとカメラが感知し、スピーカーから家族の音声で呼び止め、家族に知らせることができるアイテムです。
最近は、スマホのアプリと連度してGPSで居場所が分かるシステムもあるので、すぐに気づくことができるでしょう。
POINT② 本人の行動範囲の把握
本人がどの程度の体力があり、どれぐらいの範囲まで歩けるのかを把握しておくことも大切です。一度、散歩がてら家族と一緒に外を歩いてもいいでしょう。
また、若い頃よく行った場所や思い出深い場所なども理解しておきましょう。もし行方不明になったとしても、手がかりとなる場所を中心に探せるので、発見しやすくなるかもしれません。
POINT③ 地域や警察との連携
地元住民に行方不明になる可能性がある旨を伝えておき、一人で歩く姿を見かけたら声をかけてもらえるようにするのも一つの方法です。事前に本人の特徴(身長、髪型、言葉遣い等)を伝えておいて、すぐに捜査してもらえるように準備することもできます。
まとめ
認知症の行方不明は年々増加傾向にあり、今後も増加することが予想されています。「もしかしたら認知症かも」と感じたら、一度病院で診てもらうと良いでしょう。介護保険制度の活用のほか、地域や警察との連携をすすめるなど、早めに対応しておくと安心です。もし徘徊したらどういった場所に行きそうか、思い出深い場所などを確認しておくようにしましょう。
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