特養の待機者問題と現状の成果について

監修:フェローホームズ>

社会問題となっている特養の待機者問題とは

特養に待機者が多い理由

介護保険施設である特養は、比較的に安価で庶民的な施設として全国的に人気がある施設です。 さらに、一度入所すれば看取り介護を行ってくれるので、次の行き先を探さないでいいというメリットもあります。

このような理由から、特養への入所申し込みが多く、なかなか簡単に入ることができない傾向です。 介護保険料を支払っている国民からすれば、自分の希望する施設に入所できないという不満も発生しています。

国の取り組みについて

なんといっても大きな課題なのは介護人材不足です。建物は建設されていても、介護スタッフが集まらずオープンできない施設や、一度はオープンしたにも関わらず、退職者が相次ぎ利用定員を減らして対応している施設も決して珍しくありません。人材不足の原因は、仕事の内容の割に給与が安いとされている理由が大きいとされています。

そのため、2019年には介護スタッフに対する給与の底上げをするために、特別処遇改善加算を算定できるようにし、国をあげて給与の改善に取り組んでいる段階です。しかし、特養待機者が著しく減少する期待まではできず、次の改善が期待されています。

現在の待機者状況

2019年12月に発表された調査では、特養を待機している高齢者の数がおよそ32万6000人になり、依然として多くの人が入所を待っている状況が続いています。2016年の調査と比較するとおよそ4万人減少しましたが、全体的な数値を見るとまだ課題は残っています。

特養は平成27年度以降、原則、要介護3以上の人が入所の対象となり、要介護1と2の人は特別な事情がないと入所できなくなりました。待機者のうち要介護3以上の人は約29万人で全体のおよそ9割となっています。

参照元
厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」

介護難民にならないようにするためには

介護を必要とする前から、自分達の預貯金・年金収入等に合わせたプランを考えておく必要があります。 例えば、経済的に余裕があれば必ず特養に入所する必要もなく、有料老人ホームなどに移るのもひとつの方法でしょう。

また、子どもの住む都会に移り住むのか、生まれ育った地域で介護を受けるかもを早い段階から検討しておきましょう。最近の傾向として、ショートステイを連続利用する『ロングショート』を使いながら、特養の空き待つケースが増えています。また、比較的待機期間の短い高齢者向け住宅に入る人もいるようです。

まとめ

国をあげて特養待機者問題に取り組んでいますが、思うような成果が出てないのが現状です。 今後も介護を必要とする高齢者は増える見込みですが、それに対する受け皿が整備されていません。先述したように介護難民にならないように、個人でできることを積極的に取り組む必要があります。

サイト監修:フェローホームズ 森山善弘理事長
イメージ
立川に根付いた介護事業を行うフェローホームズ

私たちフェローホームズは、人々の笑顔に満ちた地域社会を作りたいという理念のもと、介護施設を利用するお客様に満足していただけるサービスを提供しています。働くスタッフには、自分の長所と専門性を発揮して、新しいことに挑戦していける環境が用意されています。やりがいのある職業に興味のある方、一緒に介護の仕事をしてみませんか。

監修者情報はこちら>