スキルアップのために勉強中 介護福祉士・菊池さん(26歳)

- 明星大学教育学部 卒業
- 入社5年目(介護福祉士)
- フェローホームズ仲間の家 東グループ リーダー
仕事内容は?
利用者さんの生活支援をするのが仕事
生活の様子や健康面で変化があったときに、根拠に基づいた支援をしています。
例えば、水分をあまり摂取しない利用者さんは、脱水症状を起こして、お熱が出てしまう。お熱が出ると体調不良になって、食欲不振になってしまう。食事が摂れなくなると、今度は排泄量が少なくなる。そうすると体力がどんどん低下してしまうんですよ。
水分を飲めているかということだけでも健康を左右するので、注意深く見るようにしています。
介護業界を選んだきっかけは?
教師と介護職の共通点を見つけた
大学では教育学部だったので、もともとは教師になりたいと思っていました。でも僕の場合、教師は厳しいと言われて…。じゃあどういう職業に就こう?と10月くらいに考え始めたんです。
そんなとき、授業の一環で介護施設の体験実習がありました。そこで体験してみて、「教職と介護職って似ているんじゃないか」って思ったんです。子どもに良いこと・悪いことを社会人として教えるのが教師ですけど、おじいちゃんおばあちゃんたちも衰えてくると、良いこと・悪いことが分からなくなることがあるんですよね。
介護業界に入ったとしても、僕が目指していた教育としての角度は一緒なんじゃないかと思って、介護業界を選びました。
祖父に何もできなかった悔しさ
ちょうど就職のタイミングで、僕の祖父が衰えていったこともきっかけです。
もう、悲しくて。おじいちゃんっ子だったんですけど、何もできませんでした。子どもの頃、あれだけ面倒見てもらったのに、僕の夢を応援してくれてたのに、何で僕は避けてしまったんだろうって、すごく悔しかったです。
介護業界で知識をつけて、おじいちゃんにできなかったことを今度はおばあちゃんにしてあげたい。最後までおばあちゃんを見てあげたい。そう思ったので、介護業界に飛び込みました。
実際に介護の仕事をしてどんな印象でしたか?
介護のやりがいを感じ始めたのは2年目から
世間では「介護業界はきつい」「お給料が少ない」って言われていますけど、正直1年目は「本当だ」と思いました。入社したての頃はバイト感覚で仕事をしていたので、楽しみを見つけられていなかったんです。
でも、ケアによって利用者さんの変化が分かってきたり、利用者さんと深く関わるようになってから、意識が変わりました。ケアをして利用者さんに変化が生まれると、「逆にこれをしてあげないとつらいよな」「生活に影響出るよな」と思うようになったんです。
利用者さんはもちろん高齢なので、残りの人生のページが少ないじゃないですか。その貴重なページに自分が関われる喜びと、そのページに楽しい思い出をどう刻んでやろうかって考えるようになってから、仕事が楽しくて仕方がないです。
介護で意識していることは?
一人ひとりの生きがいを見つけてあげる
どんなケアをしたらいいか、どんな関わり方をしたらいいか、一人ひとりに対して常に考えています。利用者さんの性格によって、楽しいもの・楽しくないものはもちろん、生きがいって違うと思うんです。“仲間の家”という名前があるくらいなので、家として生活してもらうために、どうしたら楽しんでもらえるか?は意識していますね。
そして楽しむためには健康維持が欠かせないので、健康管理も大事にしています。
近所のお兄ちゃんであること
もうひとつ僕が介護をしていて大事にしているのは、近所のお兄ちゃんのような存在であること。
近所のおじいちゃんおばあちゃんって、自分の子どもじゃなくても面倒見てくれたじゃないですか。今度は逆の立場になるので、僕が近所のお兄ちゃんとして、嬉しさでも怒りでもなんでも受け止めたいって思います。
仕事でつらいと思うことは何ですか?
人手が足りず仕事量が多い
職員が足りないのは物理的につらいところですね。もし利用者さんがケガをしても、「職員の人数が少ないから仕方ないよね」とはいかないので、今いる人材の中でいかに円滑に回していくかを日々考える必要があります。
でも、頭では「これでいける!」って思っても、人と人との仕事なのでうまくいかないことのほうが多いんですよ。そうすると仕事が押しちゃうので、そこが大変です。業界的にも人手が不足しているので、仕事量は多いと思います。
対応が難しい認知症の利用者さん
認知症の利用者さんの中には、暴れる方もいらっしゃいます。そこは葛藤ですよね。良いことをしているはずなのに、何で僕は殴られなきゃいけないんだろうって思うこともあります。それにどう対応するかも難しい問題ですね。
でも、僕はあまりつらいことは考えないです。つらいと思ったとしても、まあいっかって考えちゃいます(笑)。介護に限らず、何とかなるでしょって気持ちを持つことは大切だと思っているので。
これまで仕事でした失敗は?
社会人失格の態度で先輩を困らせていた
社会人としての失敗は、バイト感覚で働いていたこと。言葉遣いも態度もひどかったです。
今考えるとありえないんですが、利用者さんのことを「おい、おじいちゃん」と呼んだりしていました。
仕事を覚えてからはエスカレートして、「自分のほうが仕事できるのに」って先輩と比べてケンカしたりして。上司から要注意人物扱いされていました。
でもあるとき、利用者さんの一人がお亡くなりになって、心が入れ替わったんです。
仕事の知識をたくさん吸収しようって熱が入るようになり、介護のスペシャリストである施設長に「ゼロから教えてください」って頼み込みました。今でもすごくお世話になっています。
認知症の利用者さんを理解してあげられなかった
介護福祉士としての失敗もしました。以前、本当に嫌いな利用者さんがいて。その方は認知症でした。
認知症だから、もしかしたら言いたくないことを言っているんじゃないかとか、嫌な行動をしたくないのに行動してしまっているんじゃないかとか…今となったら理解できるんですけど、当時は切り替えられなくて。なるべく関わらないようにして、お食事をほかの職員に配ってもらったり、トイレも誰かがいなかったら仕方なく連れて行く、みたいな。
本当に最悪な介護をしたと思います。職員としてありえない行動でした。今となっては考えられない失敗ですね。
フェローホームズを選んだ理由は?
大学の福祉課の方にすすめられて
とりあえず近いところから受けようと思って、こちらを知りました。大学の福祉課の方に聞いてみたら、「フェローホームズさんは総合福祉センターが隣にあるから安心だと思うよ」ってすすめられて。
スポーツが好きなので、介護以外にもスポーツ店の面接を受けて内定をいただいていたんですけど、楽しみだけでやっていけるのか不安があったし、自分の好きなスポーツの担当になれるかどうかも分からなかったので、それは違うなって思って辞退しました。
介護は「教育と似ている」「おばあちゃんを見てあげたい」という2つの芯があったので、フェローホームズで働き始めました。
職場の雰囲気は?
同じ目線で、対等に意見が言い合える
人間関係が良いと思います。上下関係が厳しすぎないというか、フレンドリーというか。
自分と20歳くらい年齢が違う職員にも自分の思ったことは言えますし、そんな僕に対して一方的に反対意見を押し付ける方もいません。もちろん間違ったことを言ったら、それは違うんじゃないかと言ってくれます。でもそれも、上からじゃなく、同じ目線で話してくれるんです。
先輩がそういう空気を作ってくれているから、自分が後輩に上から物を言うこともないですね。だから人間関係は良いと思います。
働く時間はどのくらいですか?
シフト制だから気持ちの切り替えがしやすい
時間帯の異なる早番と遅番がいくつかありますが、基本的に日勤は8時間、夜勤は15時間です。
僕はシフト制が合っていますね。職員も人間なので、毎日が快調ってわけではないんですよ。ストレスが溜まって爆発しちゃうっていうのは良くないので、人が入れ替わるシフト制は気持ちが楽です。「あと何時間で遅番さんが来るから頑張ろう」って思えるので。現場は職員の助け合いが大事になってくるので、次の人が来るまでにこの仕事は終わらせておこう、とお互いがフォローしあっています。
入社前・入社後の流れを教えてください
書類選考→面接→SPI→適性検査→面談
僕たちのときは、書類選考・面接を通過したら、SPIを受けました。そのあと介護業界の適性を見るテストをして、理事長との面談です。
介護学校出身の方は実習で現場を経験していますが、僕はほとんど経験がなかったので、内定をいただいたあとにインターンシップを1日。そのあとまた理事長と面談をしました。面談の中では、フェローホームズで求められることや大事にしていることを中心にお話を聞いた記憶があります。
介護に向いている性格・向いていない性格があるようなので、話すことは大事にしているみたいです。
作業療法士の勉強を始めたきっかけは?
一人の利用者さんの変化
ある利用者さんの存在がきっかけです。おまんじゅうが大好きなおばあちゃん。
提供すればおまんじゅうは食べられるんですが、本来の生活では、まずお店に行く。店員さんに声をかける。注文する。お会計をする。そして食べる。この一連の流れがあるじゃないですか。でもそのおばあちゃんはあまり歩けなくて、手先も片麻痺があって、立っていることすら難しかったんです。
そこで機能訓練士さんと一緒に2年半ほどケアをしました。するとどんどん手先が器用になってきて、おまんじゅうを買う以外にも、息子さんに年賀状を出すようになったり、食べこぼしがなくなったりして。内気な性格だったのに、自分の意思表示をするようになったんです。「トイレ行きますか?」って聞いたら「今は行きたくない」って言うようにもなりました。
今まではそんなこと聞いたことがなかったので、拒否されているのにすごく嬉しかったです(笑)。
みんなが元気に過ごすためのケアをしたい
そのおばあちゃんがきっかけで、その人1人だけじゃなくてみんなにやってあげたい、と思うようになりました。
でも、そこまでの追求を一人ひとりにするのは回らなくなってしまうので、ポイントポイントでやってあげればいいんじゃないかって考えたんです。そこで作業療法士の知識をつけるために、学校に通うことを決めました。
介護福祉士と作業療法士、両方の気持ちが分かれば仕事にも役立つと思っています。職員が求めるものと機能訓練士が求めるものは角度が違うこともあるので、その調整がしやすくなるんじゃないかと。
それこそ利用者さんは残り少ない人生だから。短い時間、元気に生活してもらいたいので、こちらはできる限り早期対応をしたいと思っています。
仕事をしながら学校に通うのは大変ではないですか?
大変だけど日々新しい発見がある
正直、大変です(笑)。でも、利用者さんのためになりますし、あのおばあちゃんが僕にきっかけを作ってくれたので頑張れますね。
実際に通ってみると、あのおばあちゃんはたまたま成功したけど、もっと良いやり方でやっていたら、2カ月かかっていたのが1カ月でできたんじゃないかっていう発見があります。ああ、おばあちゃんに申し訳なかったな…と思うこともありますけど。
会社としても仕事をしながら学校に通う社員は初めてなので、どうサポートして良いか分からないと言っていました。僕も何を求めていいかが分からないので、お互い模索中です。でも、僕をきっかけに第二の僕みたいな職員が現れたらいいなと思っています。
休日の過ごし方は?
介護の仕事は体が資本なので鍛えています
勉強だけでは息抜きできないので、2週間に1回くらいの頻度でサッカーをしています。サッカーがない日は走ったりジムに行ったりしていますね。
介護の仕事をしていると腰を痛める人が多いんですけど、僕は鍛えているので大丈夫です。あとは近くに温泉があるので、のぼせるまで入ってぼーっとしています。介護業界は体が資本ですからね。自分の体力維持も含め、休日は体を動かしたり休めたりしています。そして家に帰って現実を見て、宿題や復習をしています(笑)。
介護業界に興味がある方へメッセージをお願いします
お世話になった家族にありがとうを伝えられる
自分のお母さん・お父さんがいずれ、おじいちゃん・おばあちゃんになったときに、介護業界にいる・いないでは関わり方が違う。関わる角度やしてあげられることが全然違います。介護職員が入ると、家族の間に距離ができてしまうんですよね。
僕は今まで育ててきてもらったから、ありがとうって気持ちで親には最期を迎えてもらいたいと思っています。いくらインターネットで調べても、介護業界に入らないと分からない知識があります。お父さん・お母さん、おじいちゃん・おばあちゃんに感謝の気持ちを伝えたいなら、ぜひ入ってもらいたいと思います。

私たちフェローホームズは、人々の笑顔に満ちた地域社会を作りたいという理念のもと、介護施設を利用するお客様に満足していただけるサービスを提供しています。働くスタッフには、自分の長所と専門性を発揮して、新しいことに挑戦していける環境が用意されています。やりがいのある職業に興味のある方、一緒に介護の仕事をしてみませんか。